今江敏晃が解任されたのはなぜ?理由を采配や起用法、評価から調査!

2024年シーズン、就任1年目ながら熾烈なCS進出争いを演じた楽天・今江敏晃監督

今江敏晃監督は監督経験が無い中、現有戦力でペナントレースを戦い、若手選手を育てながら勝つことを目指しました。

最終的には4位で終えましたが、周囲からは育成しながら勝つスタイルに対し、称賛する声が多いのが現状です。

そういった中、2年契約の1年目終了のオフ、突如として解任されました。

ここで筆者は、一つの疑問を感じました。

それは、今江敏晃監督が「なぜ任期途中で解任されたのか」ということです。

この記事では、今江敏晃監督が「なぜ解任されたのか」について、様々な視点からまとめました。

それでは、どうぞ!

目次

楽天・今江敏晃監督はなぜ解任されたのか?

2024年シーズン、楽天イーグルスを率いた今江敏晃監督。

今江敏晃 監督 解任 退任 楽天 交流戦優勝 戦術 起用
中日新聞より引用

今江敏晃監督は監督経験が無い中、2年連続Bクラスだったチームを立て直そうと奔走しました。

その今江敏晃監督がなぜ解任されたのか、幾つかの視点でまとめました。

選手起用や采配に疑問符?

今江敏晃監督が率いた楽天は春先、少し出遅れましたが、交流戦初優勝を飾りました。

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楽天イーグルスより引用

ここから立て直し、CS進出争いに喰い込みましたが、わずかに及ばす4位でした。

筆者は、2023年オフに大きな補強が無い中、2024年シーズンを迎え、現有戦力で「十分に見所を作った」と言っても良いのではないかと感じています。

左の好打者が数多くいる楽天において、辰巳涼介選手が最多安打のタイトルを獲得し、打率でもリーグ2位。

小郷裕哉選手は辰巳涼介選手に次ぐパ・リーグ2位の安打数を記録し、盗塁数はリーグ2位でした。

左の好打者が多い楽天の特色を生かしながら、我慢しながら若手打者に多くの打席を与え、奮起を促した采配は見事だと感じます。

これは、「今江敏晃監督の選手起用が当たった」ということであり、若手選手を中心に起用し、巻いた種がシーズン後半になり、徐々に芽吹き始めたことを意味するはずです。

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デイリースポーツより引用

従って、今江敏晃監督の「選手起用の眼力は間違っていなかったのではないか」と感じるのです。

しかし、内情は違ったようで、今江敏晃監督の解任劇に関し、「チーム内では采配面に疑問が残った」という話があるようです。

(今江敏晃監督の)続投を基本線に来季構想を描いていた中、

CS出場を逃す大きな要因となったこの8連敗が決定打となり、

今季限りでの退任の流れとなったと聞く。

大きな補強もなく、現有戦力での戦いに評価もある一方、選手起用や作戦面において、

チーム内から疑問の声が上がることもあったという。

デイリースポーツより引用

筆者は、「監督」というポジションの難しさや重みは分からないものの、客観的に考えて、監督は采配面で「最終的な決定権を持つ権力者」のことを指すと考えています。

投手・野手起用や打順の考案、攻撃時の戦術など多岐に渡りますが、「状況によって迅速に最適解を導き、それを遂行させることができるかどうか」が監督に問われる資質なのではないでしょうか。

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日刊スポーツより引用

そう考えると、限りある現有戦力の中で、球団初の交流戦優勝や辰巳涼介選手の最多安打のタイトル獲得、早川・藤井の両左腕が11勝をマークするなど若い選手が軒並み元気な活躍を見せた点で、今江敏晃監督の功績は大きいと考えるのが自然なのではないかと感じています。

むしろ、今年が2年契約の任期1年目だったため、「今年開花した若手が来年以降どうブレイクするのか」という興味・関心を持つファンも多いでしょうし、その意味で「今江敏晃監督に続投してほしかった」というのが筆者の本音です。

球団の意向や現場の内情は分からないため、第三者の意見に過ぎませんが、今江敏晃監督と一緒に今季戦った選手は「どう思っているのか」という部分も聞いてみたい気もします。

レジェンド・田中将大投手の起用法

楽天球団のレジェンド・田中将大投手の起用法も難しかったように映ります。

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日刊スポーツより引用

楽天のエースとして2013年に24勝と圧倒的な成績を残し、2014年から2020年までヤンキースで活躍したベテラン右腕です。

2021年に楽天復帰後は、4年間で19勝に留まっているのが現状です。

筆者は、田中将大投手を高校時代から見てきましたが、ストレートの球速とキレが衰え、変化球の精度も全盛期から少し落ちてきているのではないかと感じています。

それでも、ピンチでのマウンド捌きや要所でギアを入れ直す投球は確かに味があるのかもしれません。

年齢も36歳でベテランの域であり、かつての奪三振の山を築く投球スタイルから打たせて取る技巧派へモデルチェンジしている印象です。

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2024年9月28日にシーズン初登板した田中将大投手 スポニチより引用

田中将大投手は、2023年オフに右肘を手術した影響からか、2024年はシーズン終盤の1試合の登板のみでした。

筆者は、「日米通算200勝まであと3勝」や「楽天のシンボル的な存在」、「三木谷浩史オーナーのお気に入り」などの条件もあり、今江敏晃監督としても田中将大投手を「どう扱っていいのか難しかった」のではないかと感じます。

プロ入り後最少の1試合の登板に留まった田中将大投手について、筆者は、今江敏晃監督が田中将大投手の起用を巡り、「1軍の戦力として計算できるか」を一つの基準として設けていたように映ります。

田中将大投手の1軍での登板がシーズン終盤になったことも、今江敏晃監督が「2年間という時間をかけて、強いチームを作る」をテーマに掲げていたため、田中将大投手に万全の状態で戻ってきてほしかったから、「シビアに判断していた」ということなのかもしれません。

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西スポWEBより引用

「強いチーム作りを掲げ、勝負に徹する今江敏晃監督」と「田中将大投手を1軍で投げさせ、球団としても客足を伸ばしたかった営業サイド」の間で「考え方のギャップ」があったのではないでしょうか。

結果、今江敏晃監督率いる楽天はBクラスに沈み、田中将大投手の登板も1試合のみだったという事実だけが残り、今江敏晃監督への評価も必然的に下がってしまったと思われます。

筆者は、プロ野球という世界は「全て結果の世界」だという認識でおり、選手は「残した結果を基に評価されるべき」だという考えがあります。

勿論、1年ずつ区切った形での評価という話です。

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Full Countより引用

その考えでいくと、忖度無しの起用法にこだわった今江敏晃監督は勝負師であり、その判断もしっかりと尊重されるべきなのではないかと感じます。

この件への筆者の想い

2024年の楽天は、先発の内星龍投手や古謝樹投手が先発ローテーションを守り、終盤の7回・8回は渡辺翔太投手、藤平尚真投手、鈴木翔天投手などが継投するケースが多く、若手の台頭が目立ちました。

最後は則本昂大投手が締めくくるという形が定型化され、先発でも早川隆久投手、藤井聖投手が球団左腕として初の11勝をマークしました。

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(左から)早川隆久投手と藤井聖投手

筆者は、投手陣が残した大きな足跡は今江敏晃監督の「忍耐強さ、懐の深い起用法」が功を奏した結果であり、もっと評価されるべきなのではないかと考えます。

今江敏晃監督の采配は「我慢強く若手を積極的に起用し、育てながら勝つというものだったと感じており、その姿勢が若手にも伝わり、成長を促進され、次のシーズンに繋がる収穫が多かったのではないでしょうか。

その点で、2年契約2年目の2025年も「今江敏晃監督の采配が見たかった」という思いが正直なところです。

今江敏晃監督を解任した楽天球団の思惑

楽天は就任1年目の今江敏晃監督を解任し、三木肇新監督の就任を発表しました。

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三木肇新監督 楽天イーグルスより引用

三木肇監督は2020年の1年間、楽天を率いて4位という成績で、2021年以降は楽天の2軍監督を務めてきました。

筆者は、三木肇新監督の再登板が決まった瞬間、率直に驚きを隠せませんでした。

2軍のことをよく把握している三木肇新監督とは言え、過去に1軍監督を僅か1年で退任されている点を考えたら、釈然としない部分がありました。

楽天・森井誠之球団社長は三木肇新監督の起用について、「信頼できる人材」であることを挙げています。

「翌年に向け、チームをどうやって立て直し、強くしていこうかと考えた時、

現状の否定というより、より良いものを、ということでファームでの指揮を執られていた経験豊富な三木(2軍)監督にお願いしようという結論にいたりました。

ファームのスタッフも含めて、全員を見てきた経験というものを、

ぜひこちらで生かしていただきたい。

繰り返しになりますが、現状の否定ということではなくて、より良くするためにということをお願いした」

朝日新聞より引用

筆者は、三木肇新監督の再登板の決め手ついて、「選手起用」という点において、「もう少し柔軟に采配を振るってほしい」という思惑があるのではないかと感じます。

特に、球団の功労者・田中将大投手の登板機会を増やし、何としても「日米通算200勝を達成させてほしい」というのが本音として見え隠れします。

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ファームで登板する田中将大投手 パ・リーグ.comより引用

その上で、三木肇新監督は楽天の1軍・ファームの監督を6年間指揮してきたというキャリアを買ったのだと見られます。

三木谷浩史オーナーや石井一久シニアディレクターなどの球団側からの意見に対しても「柔軟に対応できる点」や選手起用に関しても「経験豊富」だという点を総合的に判断されたのかもしれません。

解任は今江敏晃監督の性格も影響?

今江敏晃監督は大阪・PL学園からプロの世界に飛び込みました。

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PL学園の選手時代の今江敏晃監督(2000年8月) Sportiva webより引用

PL学園時代は厳しい寮生活にも耐え抜いただけでなく、自分が先輩という立場になった時の後輩への接し方は非常に優しく、部員からの信頼が厚い存在だったそうです。

現在もその性格は変わらず、球団関係者やマスコミ陣からの評価も高いようですが、それは諸刃の剣のようでもあります。

今江監督は筋の通った男で選手からの人望も厚く、マスコミ受けもいいのですが、

上の人間からすると融通がきかず扱いづらさを感じる場面もある。

それを嫌って、もう今江監督に代わる候補者ともコンタクトを取っているそうです

現代ビジネスより引用

球団の上層部としては、現場サイドと上層部の意見を擦り合わせていける人材が「監督として適任」だと判断されたと見られます。

また、選手からも起用法に納得のいかない意見が寄せられていたようです。

かねて継投策や起用法の偏りに疑問の声が上がっていた。

さらに複数の選手から不満の声が出ており、

球団はそうした事情を総合的に判断した上で、苦渋の決断を下したもようだ。

サンスポより引用

監督就任1年目で若手を積極起用し、来季以降への弾みにしたかった今江敏晃監督。

筆者も、「来季以降も今江敏晃監督の采配を見続けたかった」というのが正直な思いです。

今江敏晃 監督 解任 退任 楽天 交流戦優勝 戦術 起用
Full Countより引用

客観的に考えて、たった1年で監督を変えるのはいかがなものかと感じますが、他の球団の中でも比較的「柔軟」であるとも言えますが、なかなか「方向性が見えてこない」という戸惑いのような声も聞きます。

今江敏晃監督の心情を察するに「もっとやりたかった」という気持ちがあるのではないでしょうか。

当初は2年契約だったので、筆者も「2025年も今江敏晃監督が指揮を執るものだ」と思っていました。

志半ばで監督を退くというのは、今江敏晃監督も「悔しさ」や「もどかしさ」という感情があるのかもしれませんが、まだ41歳と非常に若いですし、また指導者として野球界に貢献して頂ければ、多くのファンが喜ぶはずです!

今江敏晃監督、お疲れ様でした!

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