埼玉西武ライオンズのエースとして2023年シーズンまで3年連続二桁勝利をマークした高橋光成投手。
2024年シーズンも先発ローテーションを引っ張る存在として活躍が期待されましたが、2024年シーズンは未勝利でした。
シーズンで1勝も出来なかったのは、高橋光成投手のプロキャリアの中で初めての事でした。
ライオンズの勝ち頭がなぜ今季は勝てなかったのか、投球面に課題があるのか、メンタルの部分なのか。
高橋光成投手の圧巻のピッチングを知っている人からすると、非常に気になる話題だと思います。
この記事では、高橋光成投手が2024年シーズン「なぜ勝てないのか気になる」、「その原因を知りたい」、「どうすれば勝てるのか」などについてまとめました。
それでは、どうぞ!
高橋光成投手はなぜ勝てない?その理由や原因とは?
2024年、埼玉西武ライオンズは歴史的低迷に喘いできました。
その中で、一つの誤算だったのがエース・高橋光成投手が未勝利でシーズンを終えたことです。
2023年まで3年連続二桁勝利を挙げたライオンズの勝ち頭がなぜここまで苦しむことになったのか。
その原因を考えていきましょう!
登板過多が原因か?
高橋光成投手はなぜ勝てないのか。1つ目は「投げ過ぎ問題」についてです
高橋光成投手は2024年、4年連続開幕投手を目指していましたが、春季キャンプ中に右肩を痛めました。
その影響で自身の開幕が4月中旬までズレ込み、シーズンを通した気持ちの作り方も難しかったのかもしれません。
2019年から2023年までの5年間、開幕ローテーションを守り、チームの大黒柱としてフル回転してきました。
その5年間は「パ・リーグ投手の年間投球数」において、高橋光成投手はメジャーで活躍する山本由伸投手(現ドジャース)や上沢直之投手(現レッドソックス傘下)と肉薄する球数を放ってきました。
各シーズンとも年間2000球を超えており、5年間のうち、2020年と2021年はパ・リーグのトップです。
直近の3年間で見ても、年間2470球から2930球の間で推移しており、激務だったことが分かります。
それが蓄積となり、春先の肩痛や2024シーズンの不調に繋がっている可能性は否定できないのではないでしょうか。
私は小学校、中学校時代は野球部で内野手兼投手を務めていたのですが、投げ過ぎが原因で肩肘を痛めた経験があります。
アマチュアなので、基本的にエースが先発するのですが、自分の今後の野球人生を考えた時に「このまま投げ過ぎても将来的に良くないから、とりあえず真ん中付近になげようかな。交代したら肩と肘を休められるし。」という冷静なのか、賢いのか、ただズルいだけのか分かりませんが、そういう心境でマウンドにいたことがあります。
高橋光成投手はプロ野球の一流投手ですし、2013年夏の甲子園優勝投手なので、大変おこがましいですが、もしかしたら、高橋光成投手は「起きてしまったことは仕方ないから、切り替えて来季のきっかけ作りやファンのために残りの登板をやり切ろう」と良い意味で、背負い込みすぎない心境でいるかもしれません。
打線の援護が少ない
2024年は15試合に先発し、0勝11敗と長いトンネルから脱出できなかった高橋光成投手。
「なぜ高橋光成投手は勝てないのか」について、2つ目は打線の援護についてです。
二桁勝利を挙げた直近2年間は、防御率2点台という抜群の安定感、ゲームメイク力が光っていました。
2024年は、先発した15試合中、マウンドにいる時の援護点は計11点でした。
高橋光成投手が登板している時の援護点は1試合平均で0.733点となり、1点にも及ばない数字でした。
これでは、いくら実績のある高橋光成投手でも、勝つのは厳しかったのではないかと考えられます。
そのうち、援護が0点だった試合は11試合を数えました。
私は、小学生時代3番投手としてチームの「投打の中心」でしたが、味方の打線が非常に弱く、援護点がほとんどない試合の方が多かった気がします。
そうなると自分が「抑えなければならない」という気持ちが強くなり、そこで打たれたらスパイクでマウンドの土を蹴り上げたり、挙句の果てにグラブを地面に叩きつけて悔しさを露わにしたこともありました。
精神的にかなり子供ですよね(笑)
思い通りにならないシーズンを送っていても、投げ出すことなく、プロ野球選手として態度を表に出さない高橋光成投手は、改めて素晴らしい投手だと感じています。
きっといつか、納得のいく投球や勝利を量産するシーンが戻ってくるはずです!
昨年オフにメジャー移籍が叶わず、引きずってる?
「高橋光成投手がなぜ勝てないのか」について考えてきましたが、3つ目はメンタル面です。
2023年オフ、高橋光成投手はポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指しましたが、断念しています。
高橋光成投手は「メジャー思考」の強い投手として知られていますが、「2024年はメジャーでやっていたはずなのに…」という思いは、心のどこかにあった可能性も無くはないのではないでしょうか。
断念した2023年オフ、渡辺久信GM(当時)は「チームへの更なる貢献」を求めていました。
渡辺GMは「1年でも早く(メジャーへ)行きたいという気持ちは理解できるが、しっかり成績を残して優勝して、みんなが行ってこいよという雰囲気で送り出せるのが一番いいと思っています」と語った。
スポーツ報知より引用
筆者は、どちらかと言えば「自己中心的な性格」であり、全てを自分の思い通りに近付けたいと思ってしまいます。
そのための努力は惜しまずにしたいし、後悔を残したくないという考えがあります。
話の質は全く違えど、メジャーを断念した高橋光成投手にとって「一つのターニングポイント」だった可能性はありますよね。
2024年は春先に肩を痛めたことも重なり、5年連続で続けてきた開幕ローテーションにも入れず、歯痒いシーズンとなった高橋光成投手。
投手王国・ライオンズのエースの一刻も早い復調が待たれます。
勝てない高橋光成の復調のカギを握るものは?
高橋光成投手が再び勝ちを量産する姿をファンは待っています!
復調のカギを握るのではないかと思われる要素を洗い出してみました。
後輩・今井達也投手の存在
高橋光成投手が勝てない間、西武では期待の若手がどんどん育っています。
2024年、高橋光成投手に代わり、自身初の開幕投手を務めたのは今井達也投手でした。
2024年時点で26歳と非常に若く、西武の先発投手陣の中でも取り分け、高橋光成投手と「同等以上のポテンシャルではないか」と呼び声高い投手です。
今井投手は2023年7月から「6回自責点3以下」のクォリティースタートや「7回自責点2以下」のハイクォリティースタートを立て続けにマークしています。
今井投手は2023年の開幕前、千賀滉大投手(現メッツ)や菅野智之投手が師事している鴻江寿治トレーナーから自分に合った身体の使い方を学び、それを自らのピッチングに落とし込んでいったそうです。
その2023年は自身初の二桁勝利、2024年は8勝ながら自己最多の投球回数を記録し、自身初となる奪三振のタイトル獲得もすぐそこまで来ています。
また今井投手の言動の変化について、球団関係者を次のように話しています。
「今井は明らかに言動が変わりました。自分がチームの中心という自覚を持っています」
そう話したのは、西武の球団幹部だ。最もわかりやすいのが4月末、チームが最下位に低迷する中で「雰囲気を変えたい」と自慢の長髪を切り落としたことだ。精神論かもしれないが、なんとか苦境を打破したいという気概は周囲にわかりやすいメッセージとして伝わるだろう。
Number Webより引用
投球に安定感が増し、チームメイトからの信頼も厚くなる中で「自分が引っ張るんだ」という自覚も芽生えてきたという今井投手。
高橋光成投手にとって今井達也投手は「チームロン毛部」の一員でもあり、後輩でもありますが、とても良い刺激を与えていくれる存在ですよね!
その今井投手と積極的にコミュニケーションを図り、自身の投球の質を上げていくのも選択肢の一つとして有りかもしれません。
ストレートの質向上
高橋光成投手が勝てない日々が続いたのはなぜなのか。
その改善点について、野球解説の伊東勉氏は「持っているボールの質を上げること」だと考えているようです。
西武の選手、監督として日本一を経験している伊東勉氏は「ストレートの質を向上させること」が高橋光成投手の本来の投球を呼び戻すきっかけになるのではないかと話しています。
伊東氏は「今までならボールになるスライダーを振ってくれたり、フォークで仕留めたが、(今季は)本人がいいところに投げているつもりがバッターが手を出してくれない」と指摘した。
「スピードガンの表示はいいときとさほど変わらないがバッターは強さ速さを感じていない」と説明。その理由について「やっぱり真っ直ぐあっての変化球。変化球あっての真っ直ぐじゃない」と直球を磨き直す必要性を訴えた。
スポニチより引用
伊東氏は、「打者が打席で驚異を感じるようなストレート」が必要だと考えているのですね。
高橋光成投手の2023年のストレートの平均球速は150.3kmであり、メジャーでは一般的な速さと言われているようです。
それでも高橋光成投手は、肉体改造や投球動作の解析などを通じて2022年から平均4kmも球速を上げていました。
それなのに、なぜ高橋光成投手が勝てなかったのか不思議なくらいです。
190センチ105キロの堂々たる体格、27歳という若さを考えると更なる飛躍が楽しみですし、メジャー行きを一度断念したという経験が今後の高橋光成投手をより一層強くしてくれるかもしれません。
勝てない高橋光成、新監督就任で今後の復調は?
なぜ高橋光成投手が今季、勝てなかったのかをテーマにお伝えしてきました。
チーム状況を鑑み、成績不振を理由に、西武の渡辺久信GM兼監督代行が監督職を2024年シーズン限りで退任することが決定的となっています。
前監督の辻発彦氏やソフトバンクを4連覇に導いた西武OBの工藤公康氏、2004年に西武を日本一に押し上げた伊東勉氏など錚々たる顔触れが次期監督候補として浮上しているようです。
高橋光成投手にとって、どの方が一番良いのかはわかりませんが、一度でも一緒にやっているという点では辻発彦氏が最もやりやすい存在のではないでしょうか。
二桁勝利を3回達成した2019年から2023年の5年間は辻発彦氏が監督でしたし、辻氏も高橋光成投手を「エース」だと評していました。
そういった信頼関係が既にある中で、プレーするというのは高橋光成投手にとってもプラス要素が多いように思います。
辻氏は監督を退任しても、解説などでベルーナドームを訪れており、「おう、光成、頑張れ!」と階段を登ったところの客席でいつもグータッチで迎えるシーンは非常に好感が持て、両者の関係性の深さを感じさせます。
この記事では、高橋光成投手がなぜ勝てないのか、復調のカギを握る要素をまとめてきました。
チームの中心選手として、ファンの前で躍動し、自らの夢を叶える高橋光成投手の姿を皆が望んでいます。